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加賀人形や加賀八幡起上り、張子の人形などが並び、華やかな色彩にあふれる店内。中島めんやは、江戸時代末期の文久2年(1862)創業で、145年の歴史をもつ尾張町の老舗のひとつ。屋号の「めんや」は元は「面」と書いたものだという。年賀切手の図案に過去3回も中島めんやの郷土玩具が選ばれるなど、全国的にも知られた存在だ。
営業から職人としての仕事までこなす七代目当主の祥博さんを支えて、毎日、店に立つのが六代目当主夫人の中島文子さん。「私は苦労なんて全然していないけど、戦中戦後に店を切り盛りした義母は本当に大変だったと思います」。文子さんのお話には、お客様はもちろん、家族や従業員などまわりの人たちへの愛情があふれている。「いちばん大事にしているのは感謝の気持ちです。お電話であっても、うちに御用があってかけてくださるのですから、まずはありがとうございます、と申し上げるように心がけています」。「ありがとう」と言葉を発するときの文子さんの表情はやわらかくて温かく、なるほど、長年にわたり、何度となく繰り返してきたんだろうと感じられる。
「従業員の方たちも長い年月を働いてくれる方が多く、ありがたく思っています。昔は本当に家族同様のお付き合いだったのですよ」。家族ぐるみのお付き合いは従業員の方々ばかりではない。文子さんも息子の祥博さんも料理が大好き。5月の連休には、中島家の手料理を楽しみに、大切なお客様が集まり、大賑わいになるのだという。
「これまでも、これからも、感謝の気持ちで訪れる人をお迎えしたい」、春の日差しのような温かな笑顔で語ってくださる様子が印象的だった。
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